7月24日、長野県坂城町鉄の展示館で、
かまたきみこのお刀講座を開催していただきました。


◇講師◇
宮入小左衛門行平刀匠
河内一平刀匠
根津秀平刀匠
玉置城二研師


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4人!!!なんとすばらしい顔ぶれ(^^)
今回は、かまた、ワガママ言い放題で、
これまでのお刀女子会でも、お招きのしたことのない研師さんを
お呼びすることができました。

最初は、4人の職人さんに、かまたが質問する形式で、トークしました。

日本刀って、それなりのノウハウを学んだ刀匠さんであれば、
そこそこ作れるだろうと、みなさんお思いかもしれませんが、
刃文、肌、姿、自分の理想の刀を作るために、
材料や温度、時間、自然の環境は、
刀匠の予想と期待に応えてくれたり、くれなかったり。
刀の個性と、人間の個性がリンクしているお話や、

研師は素手で刀を触って、刀それぞれの特徴をつかんでおられるので、
鉄が柔らかい、硬い、ぱりぱり、ねばる、など、
いろんな形容詞をもって体感しておられるお話をしてくださいました。

古い刀、新しい刀の手ごたえの違いなども。
また、刀匠が刀を見るときに、モノ、技術だけではなく、
そこに、(存在としての)色合い(根津さん表現)を感じておられるというような
、概念のお話しもお聞きできました。

私は、取材というか、職人さんと直接お話を聞く機会がありまして、
日本刀の技術を持つ人たちの語る、鉄の話、仕事の話が、大好きなのです。
それは、たぶん、ほかのお仕事をしている人たちとも、
共通する部分があると思うし、(もちろん漫画家の私も)
うまくいかない現実を、どうやったら超えていけるのか、
そこを抜けたときの感覚とか、苦悩したままの思いとか。

良い作品とは何なのか、品なのか、芸術なのか、人間なのか。
すべてのことが、実は誰にも、生活にも仕事にも人生にも、
共有できるお話しだと思っています。

ですから、可能な限り、職人さんと、話してみていただきたいな~、
感じ取っていただきたいな~と思います。
そこで、自分とリンクする部分が見えたら、
これからの自分の考えや行動にも、面白い影響があるかも。


さて、トークの後は、刀剣鑑賞。

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前日、河内さんと、根津さんと、博物館の学芸員さんが、
収蔵の刀の中から、鑑賞用の刀を選んでいる様子を拝見することができました。
あの刀がいいんじゃないか、あれはどこ?
その刀は、この前出したから、今回は違うのがいいな、
とか、特徴のある、鑑賞して楽しい、
名工の刀を選んでくださっていました。


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そして、玉置研師による、押形体験!!!

茎を石華墨(せっかぼく)で拓をとるお手並みを拝見し、
墨で刃文を書き入れるところも、見せていただきました。

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講師のお一人、研師の玉置城二さん(京都)は
同日展示中の押形アート部門初の、優秀賞第一席!
に輝かれました


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この後、参加者の方も、コピーした刃文を、写し取る体験、茎の拓をとる体験なども、できました。
あっという間に二時間が経ってしまいました。



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会場には、玉置研師の描いた押形が30枚近く並べられていて、圧巻でした。
とても薄く滑らかな和紙に描かれていて、
展示のお手伝いをしたときに、ちょっとした風で、
あまりにふわふわするので皺にならないか、緊張しましたが、
薄いけれど、丈夫な紙なので心配ないですよ~と、
玉置さんに言われて、ほっとしました。

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良い和紙なのですが、製造中止となったとお話しされていました。
もし今後再生産をお願いするとしても、
大量のロットで依頼するしかないようで、
現実的には無理なのだとか。
石華墨にしても、良い品質のものが手に入らない、
輸入品に頼っているとか、
伝統工芸を支える伝統工芸・・・・そのまた伝統工芸を支える伝統
・・・・・が枯渇というお話を、
またもや聞くことになりました


質の良い製品は、良い作り手と、良い買い手がそろわないと、簡単に消えてしまう。
丁寧な工程、手間に応じた料金を、
喜んで対価として交換する発想が大事だな~と、
今回もやっぱり思いました。

ある程度、余裕のあるかたは、多少高くても、
満足できるクオリティを求めると思います。

ほんとうに必要な層に、ほんとうに必要な品が、
作品が届けばいいなと感じます。

そこには良い循環、良い感性の交換が生まれ、
一つ一つの交換は小さな感性エネルギーの転換ですが、
それが日本の国内から、海外へ、
日本がじっくりと内側に向けてきた精神&モノ錬金技術(笑)の
浸透となるんじゃないのかな・・・・なんて妄想していたりします。


現実を錬金するマンガ家ですからね なんちゃって

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この日は、玉置さんの押形蔵書を、京都からお持ちいただきました。
参加者の方が、すごーーーく熱心に、
見てくださっていて、玉置さんが感動されていましたよ(^^)



長野県坂城町 鉄の展示館

第七回新作日本刀 研磨外装
刀職技術展覧会
が8月21日まで開催中
http://www.tetsu-museum.info/359.html


           文章 かまたきみこ